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[TRAVEL DIY vol.4] 伝統と現代建築が調和する街 ノルウェーの屋根文化

[TRAVEL DIY vol.4] 伝統と現代建築が調和する街 ノルウェーの屋根文化

日本とほぼ同じ国土面積でありながら人口約530万人の国「ノルウェー」。しかし、1人あたりのGDPランキングでは世界上位に入ってくる小さな経済強国です。ヨーロッパ大陸最北端に位置し、北海油田などの潤沢な天然資源に恵まれ経済を成長させてきました。そして、石油やガスの収益は政府が管理するファンド「ノルウェー政府年金基金」が運用し、2019年までに約125兆円と順調に運用にも成功。

 

その一方で限りある資源の枯渇を見据えて脱石油にも取り組み、国をあげてスタートアップへの投資を積極的に行っています。そんな小さな経済強国の住宅事情を紹介していきます。

 

|木造住宅が多い

ノルウェーでは新築よりも木造の中古物件が多いため、DIYカルチャーが根付いている地域です。

 

|草屋根

国土の90%以上が山地のノルウェー。数百年前から森林資源を有効活用し、屋上(屋根)の緑化設計が導入され、断熱利用された住宅や建築物も今なお存在しています。屋上緑化は環境面だけではなく暮らしや生態系に良い影響をもたらしているのです。

 

環境に優しい冷暖房機能

昔ながらの「草屋根」は丸太を積み重ねた屋根に白樺などの樹皮や土を乗せ、その上に芝を植え作られています。夏は植物の蒸散作用で屋内を涼しく、冬は断熱材としての働きで屋内の寒さを和らげてくれるため、光熱費を抑えることができます。

 

動植物の生息圏の提供

大雨の場合、雨水を給水するため、道路の水の冠水防ぎ、植物を守ります。また、様々な生き物の生態系維持にも大きな役割をもたらします。

 

景観美化

屋根の緑化はまるで森に住んでいるかのような審美性の高さをもたらします。近年、日本でも導入している建築物が増えてきました。写真はアクロス 福岡県立国際ホール。見事に一体化している。

 

|日本の住宅で取り入れるメリットとデメリット

 

メリット① 騒音を軽減

日本はノルウェーの人口の数十倍の人が暮らしているため、騒音の機会も増えてきます。屋根に芝生を敷くことで騒音を軽減することができます。

 

メリット②スペースとして使用

日本では首都圏の人口過密が問題となり、住宅も狭小住宅が多いです。そのため庭が無い家も多いのですが、勾配を減らした屋根を草屋根にし、落下防止柵などの安全対策をしっかりと行うことで「屋根庭」として読書などを楽しむスペースにすることも。

 

メリット③建物の寿命を伸ばす

屋根に草を敷くなんて家が痛むのでは?と心配になる方も多いと思いますが、紫外線や酸性雨などから家を守り。住宅の腐食を防ぐため寿命を伸ばすと言われています。他にも、ヒートアイランド現象の緩和や、節電対策、CO2の軽減などのメリットも。何より環境に良いことで取り入れる住宅も少しづつですが日本でも増え始めています。

 

デメリット

もちろん良いことばかりではなくデメリットも。それはメンテナンスです。草屋根の場合、半年に1回は芝生や雑草の処理、それに定期的な水やりなどの手入れが必要となってきます。夏場は蒸散効果による冷却効果を得るために水撒きも大切になります。

 

手間もかかる分、環境や生活に豊かさをもたらしてくれる草屋根。ノルウェーの伝統を是非DIYで取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

About TRAVEL DIY

日本政府観光局の調べによると、2019年の出国日本人数は1年間で2,008万人。そして、2020年の発表されている累計(1月-10月分)出国日本人数は約311万人と大きく減少し、世界的に移動制限がある暮らしをしています。そんな中、DIYできる海外「住」カルチャーお届けすることで、少しでも旅行気分を味わっていただこうという本企画「TRAVEL DIY」。定期的にお届けしていきますので海外旅行気分をお楽しみ頂ければ嬉しいです。

 

Edit:Mr.DIY編集部


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