飲食店をまるごとDIY、新しいアイデアで空間を創るクリエイターDIY職人[CRAFTSMAN FILE vol.15]
CRAFTSMAN FILE vol.15
職業:フリーランス
2022年も最終クールに突入し、年末に向けて仕事が忙しくなる季節。クリエイティブ業界のトップランナー レモンライフの千原氏の言葉で「クリエイターとは世の中を変えたいと思って行動している人のこと」の言葉を思い出す。「デザインなどの職業についているからクリエイターなのではなく、より良く社会を変えたい、会社員でもより良い会社に変えていこうと行動していれば、それはもうクリエイターです。」とクリエイターについて説いている。
第15回目を迎える「CRAFTSMAN FILE」は商業施設の内装施工会社で現場監理を経験し、現在はフリーランスとして様々な挑戦をしているクリエイターDIY職人が登場。コスト、品質、工期といった現場監理のスキルを活かし、自身の実家の飲食店の内装を全て仕上げた腕をもつパワフルでハイセンスな職人をご紹介。
〈PROFILE〉Tsukasa(活動名)
大学時代に建築を学び、新卒で商業施設等の内装工事をする会社に入社。現場監理の仕事(職人の手配から材料の手配、施工の指示や品質の管理、予算管理、工程管理、安全管理など)を4年半経験し、クリエイティブの領域を広げたいと考え、ウェブデザインやグラフィックデザインの勉強を開始。現在はフリーランスとしてリノベーションの仕事や、ウェブサイト制作・グラフィックデザイン制作・PRサポートなど、幅広い業務に従事。その他、母と姉が家族で経営している飲食店の手伝いも行っている。
ーー現在のご職業に就かれたきっかけを教えてください。
Tsukasaさん(以下:Tsukasa。敬称略):
前職を辞めたきっかけが、業界の形態や会社の仕組みに対する疑問からでした。もともとクリエイティブなことがしたくて建築内装の世界に入りましたが、そこは自分が想像していたものとは少し違ったものでした。
元請・下請といった業界の構造的に、受身受身で作業をせざるを得ない環境。良いものを作りたい人、とにかく安く作りたい人、早く完成させたい人、お金を稼ぎたい人、そういった色んな立場の人間が同じ空間を作っていました。誰のために何をつくっているのか、出来上がった空間を見て喜んでいる人は誰なのか、そんなふうに思うことも何回かありました。
もちろん業界が悪いとも思いませんし、どの立場の人間もそれが仕事なので仕方ないことだと思います。ただ、クリエイティブな事がしたい僕にとって最適な場所ではないと感じやめました。そのような経験から、働き方やルールを自分で決められるように、フリーランスとして活動しようと決めました。また、お取引させてもらうお客さんとも、顔をあわせてコミュニケーションをとり、すべて言う通りにつくるのではなく、「どうしたらもっとよくなるか」「こうしたほうが面白いかもしれない」と一緒に考えながらお仕事を進めて行くスタイルでやっています。
ーー具体的にはどのようなお仕事をしているのですか?
Tsukasa:リノベーションのお仕事に関してはほぼDIYそのものです。自宅やお店をリノベーションしたいけど、出来るところは自分達でDIYしたい。といったような方に、プランを考えるところから一緒にお手伝いさせていただいてます。
ウェブサイト制作やグラフィック制作は、名刺代わりになるようなホームページを制作したり、ロゴデザインやSNS用の広告バナー画像を制作したりしています。ウェブサイト制作もグラフィック制作も、細部までこだわって作りこんでしまう所がDIYと通じている部分だと思います。だれも気が付かないような細かい所まで自分なりにこだわる事が、ものづくりにおいては大事だと思います!
ーーDIYを始めたきっかけを教えてください
Tsukasa:内装の仕事をしていた時から、ちょっとした家具などを作ってはいたのですが、しっかりと始めたのは母と姉がやっている飲食店を自分で作ったときからです。
ーーTsukasaさんのDIYの特徴を教えてください
Tsukasa:個人的にと素材感を活かしたものやインダストリアルな雰囲気が好きです。木材や鉄、コンクリートといったような、その素材の良さが出るような空間や家具などを作れたら楽しいですね。
でも一番は使う人の事を考えて、使いやすいように作る事がベストだと思います。デザイン性ばかり考えて長時間座っていられないようなイスを作っても意味がないので。
ーーどんな人にTsukasaさんのDIYアイテムを使って欲しいですか?
Tsukasa:DIYでものを作りたいけれど、何をどうすればいいかわからない。といったような方と、一緒にDIYできればと思います。なぜそう思うかというと、自分で作ったものにはかなり大きな愛着が沸いて大切に使いたくなりますし、他の人が見てもわかるくらいの何とも言えない良さが出ます。なので、ただこれを作って。というよりかは、出来ることならご依頼者様も一緒に作業をしていただければ、より良いものが出来ると思います。
ーーDIYをする日はどんな1日を過ごしていますか?
@8:00 起床・朝食
@9:00 資材の買い出し
@10:00 作業開始
@13:00 作業開始
@15:00 休憩
@15:30 作業開始
@17:30 作業終了・片付け
@18:00 帰宅
@19:00 夕食
@20:00 別仕事の作業
@24:00 ゲーム
@02:00 就寝
ーー今までのDIYでお気に入りの作品はありますか?
Tsukasa:お気に入りの作品は実家の飲食店の内装を手掛けた際のお店のカウンターテーブルです。
木材は姉が長野県の山間部にある古材屋さんに何度も通って見つけてきた栗の木を使用しています。
カウンター天板の高さや奥行、足置き台の高さ、キッチンとの目線の高さなど、 座る人にフィットするように何度も打ち合わせをして設定しました。
材料が一点ものなので失敗できない緊張感がありましたが、 自分でもびっくりするぐらい良くできたので、とても気に入っています。
ーー実家のご飲食店について教えてください
母と姉がやっている手作り料理とお酒のお店です。
お店の空間はスケルトンの状態からほぼ全て自分達で作り上げました。 場所は東京都江戸川区の南小岩にあるので、お近くの方はよかったらぜひいらしてください。
●Information
店名:橙 daidai
住所:〒133-0057 東京都江戸川区南小岩6丁目29−15
ーー暮らしの中で大切にしている事はありますか?
Tsukasa:なんか良いなって思ったり、気になるものがあったら、 写真をとったりメモったりするように、インプットを大事にしています。
なんでこんな形になったのか?どうやって作ったのか? とかを考えるのが好きです。
それを何か作ったりするときの材料として、 そこに自分のアイデアや慣性をプラスします。
ーー今後チャレンジしていきたいDIYや目標があれば教えてください。
Tsukasa:空き家を借りて、まるまる自分好みにリノベーションしたいですね。 現在、都内の空き家物件を毎日のように探しているのですが、なかなか見つかりません…。
ーー最後にTsukasaさんにDIYを任せたいと考えている人にメッセージをお願いします。
Tsukasa:DIYをはじめたいけれど、なにをどうすれば良いかわからない!という方。 プランを考えるところからサポートさせていただきます。規模は小さくても大きくてもかまいません。 一緒にDIYをしてものづくりの面白さをわかっていただけたら良いなと思います。まずはお気軽にご相談ください。
建築の基本を把握しつつ、自由で柔軟な発想でクリエイティブ力の高いDIYスキルを持つTsukasaさんは当サイトにDIY職人として登録をしていますのでDIYの依頼・相談をされたい方はログインのうえ、下記をクリックするとお問い合わせが可能です。
※お問い合わせの内容やスケジュールによってお返事ができない可能性があります。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
Edit:Mr.DIY編集部