2021年4月27日

魂が宿る木工道具、想いを紡ぐDIY[CRAFTSMAN FILE vol.8]

CRAFTSMAN FILE vol.8

職業：経営者（福祉機器・臨床医療機器製造）

DIYには不思議な力がある。同じようなプロダクトも作り手がわかると「想い」をプロダクトに感じることができる。その作り手が自身であれば、より感じる想いは深い。そして、それは作り手にも同じことが言える。プロダクトに「想い」を込めればどんな高級商品よりも価値あるものが生まれる。

今回は父から譲り受けた木工道具で木工家具を作っているDIY職人をご紹介。木工家具に父と自身の「想い」が込められた「魂のDIY」をリリースしていく。

〈PROFILE〉KYOSUKE | 活動名

趣味のパソコンを極める為、情報システム関係の専門学校に入学。しかし、車の免許取得中に車に興味を持ち、卒業後はカーディーラーに入社。研修期間中に車整備に魅了され、整備士として8年勤務。その後、治具関係の製造を営んでいた父の仕事を手伝う為ディーラーを退職。現在は父から受け継いだ会社と木工道具で、経営者として活躍する傍ら、木工家具を作っている。

ーーDIYを始めたきっかけを教えてください。

KYOSUKEさん（以下：KYOSUKE。敬称略）：父が会社の治具関係を制作するのに趣味と実益を兼ねて木工をしていました。しかし、数年前に他界。残された木工道具と治具制作を受け継いだ事がきっかけになります。昨年より本格的に始め、会社の倉庫の一角に作業場を作り、現在内装をしています。

まだ素材そのままの作業場の様子。

デスクまわりはテンションが上がる少し明るめな雰囲気に。壁は白く塗っていく。

ーーKYOSUKEさんのDIYの特徴を教えて下さい

KYOSUKE：「不便な環境を快適に」をモットーに、製造業で培った効率化を他分野へ応用しています。既に使っている物に手を加えてアップサイクルをしています。なるべく費用と時間を節約できるようなDIYを心掛けています。

ーーどんな人にKYOSUKEさんのDIYを使って欲しいですか？

KYOSUKE：「DIYをしたいが、いいアイデアが浮かばず、我慢している」「既製品ではしっくりこないが、仕方なく使っている」「限られた場所でもっと広く快適に暮らしたい」等、どうしたらよいかわからず困っている人に提供していきたいです。

奥行きのあるベンチ。

ガーデニングアイテムとも相性の良いカラーリング。

畳にも合うPCデスクを制作。

幅広なのでゆったりとしたスペースを確保。畳の上に座りながら仕事ができるような仕様。

ーーどんなインテリアやお家にしたいですか？

KYOSUKE：工房は白を基調とした明るい木工作業場らしからぬ空間を目指しています。

アイデアが浮かびやすいシンプルなカラーリングに塗装。

ーーDIYをするときの３種の神器を教えて下さい

KYOSUKE：一つはDeltaの集塵機です。木の粉塵は種類により体に悪影響があるらしく、綺麗な作業場を維持する為、必要だと思って使っています

２つ目はDeltaのテーブルソーです。テーブルソーで木材をカットすることから、すべての作業の始まりになります。

３つ目はPanasonic社の電動ドライバーです。マキタが人気だと思いますが、デザインと使っている人が少ないのがお気に入りです。

すべて父から譲り受けた物で10年以上前の工具達ばかりですが、修理しながらこれからも使用していきます。

ーーDIYをする日はどんな1日を過ごしていますか？

KYOSUKE：木工DIYは基本平日のみ行っております。

＠06:45 起床

＠09:00 本業の仕事をこなす。

@12:00 昼休憩

・休憩を兼ねてホームセンターでDIYの材料を買い出しにいきます。

@16:00 DIY開始

@20:00 作業終了・帰宅

＠24:00 就寝

ーー今までのDIYでお気に入りの作品はありますか？

KYOSUKE：電気自動車充電器stationのハーネスを加工されている業者様から相談がありました。30kg以上ある電線リールを作業開始の度に男性二人がかりで段取りしていたそうで、何とかならないか？という依頼でした。移動可能な電線リールを4巻きセット出来るリールラックを制作。配線を軽く引っ張り出せ、女性でも移動可能で、尚且つ作業工具等も置けるようにした大型のDIYはお気に入りです。

ーー暮らしの中で大切にしている事はありますか？

KYOSUKE：偏った考えをしない事です。両極端に生活することは楽だと思います。しかし、片方の意見や景色しか見ていないと視野が狭まります。人間関係も、仕事も、趣味も、閃きと勘を大切に全体が見えるようにしています。