日本一暖かい家 北海道の住宅は断熱性が凄い
豪雪地帯としても有名な北海道ですが、実は「日本一暖かい家」が北海道という事を知っていましたか?ウェザーニュースの調べによると、全国の平均部屋温度は18.85℃という数値に対し、北海道は20.73℃と約2℃高く全国で一番暖かい部屋という結果に。熱帯地域の沖縄は20.64℃と僅差ながらも2位でした。なぜ亜熱帯気候の沖縄よりも豪雪地帯の北海道の住宅が暖かいのか、その住宅事情を紹介していきます。
2020年、北海道の最高気温は足寄で34.4℃、最低気温は江丹別で-36℃と同じ北海道でも約60℃近くの寒暖差がありました。夏は暑く、冬は寒い。そんな過酷な環境で暮らす北海道民を支える屈強な住宅。その住宅構造にはいくつか特徴がありました。
|国内最高レベルの断熱性能
北海道の冬はとにかく極寒。冬の厳しい寒さを防ぐため、壁や天井にはたくさんの断熱材が使用されています。断熱材は外からの暑さや寒さを遮李、室内を一定温度に保つ役割を持っているので、寒暖差が激しい地域では非常に重要な素材となります。
断熱材は大きく分けて3種類
・繊維系断熱材
ガラスを繊維状にし、繊維の間に空気を閉じ込めた断熱材
・天然素材系断熱材
無添加で自然素材を利用している断熱材
・発泡プラスチック系断熱材
プラスチックを発泡させて細かい気泡の中に空気を閉じ込めた断熱材
北海道の多くの住宅は寒さや暑さに十分耐えられる厚みのある高性能な断熱材を使用しているのです。
|職人技が鍵を握る気密性能
断熱性能は素材によって特徴が存在しますが、気密性能は職人さんの実力で決まります。住宅の気密性能をチェックする値に「C値」と呼ばれる値が存在します。これは家全体の隙間がどのくらいあるのかを評価した値です。現在は改正省エネ法により気密性の基準設定がありませんが、以前は北海道と東北の一部地域では2.0、その他地域では5.0よりもC値が低ければ高気密の家との位置付けでした。このように北海道では厳しい基準値で家づくりが行われていました。
|2重扉の玄関
2重の玄関は北海道ではお馴染み「玄関フード」とも呼ばれたりしています。2重になっていることで、断熱性能が保たれ、冬は「ママさんダンプ」と言って手で雪かきができるダンプを置いたりもできるため、収納スペースとしても活躍しています。そして、雪を払い落とすスペースとしてもとっても実用的。
|2重窓
2重窓は窓と窓の間に空気の層ができるため、外気の影響を受けにくいのです。夏は暑さを遮断し、冬は部屋の暖かさをキープしてくれます。そして、防音効果も凄いです。交通量の多い道路に面していてもとても静かに過ごすことができます。また、防犯の観点からも2重窓はとてもおすすめです。断熱性能が高まることで、エアコンなどの冷暖房機器の使用時間が減り、結果的に環境に優しい家となるのです。
Edit:Mr.DIY編集部