[TRAVEL DIY vol.5] 紀元前8000年、エジプトで生まれた歴史的素材「アドベ」
世界一長い川「ナイル川」や、世界遺産「メンフィスとその墓地遺跡」など数多くの歴史的文化が存在する「エジプト」。古代四大文明のひとつと数えられるエジプト文明をナイル川流域で開化させ、歴代ファラオたちが数多くの遺跡を残してきた一生に一度は訪れたい神秘の国。
そして、イスラム教徒が多く、多くのエジプト民はラマダン(断食月)といって毎年1ヶ月もの間、日の出から日の入りまで断食を行います。当然子供たちも日中は断食をするので、日が沈んだ夕食後は遊ぶ子供たちのためにファヌース(ランプ)で道路を灯すエジプト独自の習慣も。
そんな独自の文化を築いてきたエジプトの住宅事情ですが、庶民の家の多くは「アドベ」という日干しれんがで作られています。
アドベの歴史は古く、紀元前8000年頃にエジプト・メソポタミヤ・バビロンで作られたと言われています。
|究極のエコ建築素材?
アドべレンガは少々粘り気のある土と砂に適量の水を加えて練るだけという実にシンプルなものです。そして、粘土上になった素材を木枠に入れて形を整え、木枠を外して3日ほど天日干しで乾燥させれば日干しレンガの完成。ここでお気付きだと思うが、主な材料が土なので、最終的に自然に返すことができる究極のエコ建築素材なのです。
|アドベを使ったDIY
アドべの特徴は湿気や水に弱いという点があります。雨がほとんど降らない乾燥地域では一般的に住宅の建築材として使われていますが、日本では梅雨などもあるため不向き。とはいえ、究極のエコ材、何かに使いたい。そういう方には植物との組み合わせを考えたインテリアアイテムをオススメしたい。
|フェイクグリーン
水に弱い性質のため、水やりの必要な植物ではなく、水を与える必要がない人工植物の鉢に。自然素材のアベドだと雰囲気が出ます。
|ボックス
枠を変えることで、様々な形にアレンジが可能。小さなブロックであれば小さな観葉植物やアート、フィギュアを置ける台として使えます。
アドベは土由来なので日中の強い日差しを貯え、夜になるとその熱をゆっくりと吐き出しす性質も持っています。雨や地震などがほとんどない地域であれば建築材として、そして環境にも非常に良い建築材なのです。日本ではインテリアとして是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
日本政府観光局の調べによると、2019年の出国日本人数は1年間で2,008万人。そして、2020年の発表されている累計(1月-10月分)出国日本人数は約311万人と大きく減少し、世界的に移動制限がある暮らしをしています。そんな中、DIYできる海外「住」カルチャーお届けすることで、少しでも旅行気分を味わっていただこうという本企画「TRAVEL DIY」。定期的にお届けしていきますので海外旅行気分をお楽しみ頂ければ嬉しいです。
Edit:Mr.DIY編集部