サステナブルで抗菌機能を備えた〝呼吸する壁〟が再注目!
近年の日本住宅において壁素材の標準は、白い壁紙を使っているのが一般的だと思います。そんな中、再び注目を浴びている壁があります。それは「呼吸する壁」とも呼ばれ、サステナブルな上に、部屋の空気を清潔に保ってくれる素材として再注目されています。その素材は石灰石を焼いて水を加えた消石灰が原料となっています。
主成分の石灰石は炭酸カルシウムでできており、酸を中和する性質があるため、様々な場所で公害防止・環境浄化のために利用されています。そして、工場や鉱山から排出される酸性排水の中和にもタンカル(石灰石の粉末)や石灰が使用されており、石灰石は生活環境を保つ上でも欠くことのできない重要な鉱物資源となっているのです。
そんなサステナブルな素材を使った「漆喰の壁」をご存知の方も多いと思いますが、まだまだ一般的には知られていません。「漆喰の壁」がなぜ「呼吸する壁」と呼ばれているのか、特徴や取り入れ方などを交えてご紹介を致します。
|漆喰の壁の特徴
①自然由来の安全な素材
漆喰の主原料は消石灰です。この消石灰は、サンゴ礁が大陸プレートにぶつかり、陸地と一体化してできた石灰岩(石灰石)に、水を加えることでできるものが消石灰です。そして、消石灰に海藻のりなどを混ぜ、塗りやすくしたものが漆喰なのです。
②ウイルスを抑制
主成分である消石灰(水酸化カルシウム)が有す強アルカリ性により、抗菌・抗ウイルスなど優れた機能を持っています。昨今ウイルス対策の関心が高まる中、再び注目の素材として様々な漆喰素材の商品が販売され始めています。
③清潔な空間維持
アルカリ成分が含まれているため、消臭効果をはじめ、カビの抑制を防いでくれるので年中快適な空間が保たれます。そして細孔が非常に多く空いているため、夏は湿気を吸い込み、乾燥した冬は湿気を放出してくれるのも特徴です。
④デザイン性の高さ
何といってもきめ細かくて滑らかな質感、真っ白な色合いが魅力的。平らに仕上げるだけでなくコテ模様仕上げや、オリジナル模様に仕上げることも可能です。
色も雰囲気によって変えることができます。
⑤メンテナンスの手軽さ
軽いすり汚れや手あかなどは簡単に消しゴムで落とすことができます。また、大きな傷や汚れを付けてしまった場合、上から塗り重ねて乾かすだけなので簡単に補修することが可能です。
|漆喰壁なら角をぶつけた場合も簡単に補修が可能
物を運ぶときに思いっきりガリッと・・・
そんなときは練った漆喰をヘラで塗り重ねます。
なんと、補修にかかった所要時間はたったの5分です。あとは数時間放置して漆喰が乾いたら完成です。
塩焼きした消石灰に、四半期以上発酵させた藁(わら)と水を混ぜ、更に1ヶ月熟成させた「土佐漆喰」。沖縄の住宅の屋根瓦に多く使われている「琉球漆喰」など、漆喰にも複数の種類があります。性質も異なるので、使用の際は用途にあわせて検討してみてください。
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Edit:Mr.DIY編集部